スタートアップの祭典、IVSの目玉はピッチコンテスト「LaunchPad」。今回は12社が参加しましたが、どれもすばらしいプレゼンでした。


ihayato.書店大賞を「NinjaPCR」に進呈!

ピッチコンテストというだけあって、出場スタートアップはランキング化されます。公式のランキングは以下。

1位:capy Captcha(キャプチャをパズル化)
2位:NinjaPCR(超安価なDNA増幅器)
3位:planBCD(ABテストを簡単に)
4位:フライヤー(読むべき本の要約を有料で提供)
5位:USERDIVE(動画でユーザー分析)

まったくの非公式ですが、一応メディアスポンサーになっているので、勝手に「ihayato.書店大賞」というアワードをつくってしまいます。

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タイトルと見出しにさっさと入れているので勿体ぶりません。ぼくは「NinjaPCR」が圧倒的にすばらしいと感じました。これが1位にならなかったのは残念!ぼくのなかでは圧倒的1位です。


小学生でも遺伝子解析ができる世界を!

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(株式会社鳥人間代表・久川真吾さん)

NinjaPCR」とは一体なんなのか。これは「DNA増幅器」です。DNA増幅器とは何か。ぼくもよく分かりませんが、DNAの分析ができるツールです。

従来のDNA増幅器は50〜100万円と、かなり高価なものだそうです。「NinjaPCR」を開発する株式会社鳥人間の久川さんは、これはおかしい、と考えます。もっともっと遺伝子解析を身近にしないといけない。小学生でもできるようにならないといけない

久川さん、オープンソースハードウェアなどを活用し、超安価なDNA増幅器「NinjaPCR」を開発します。これ、なんと原価1〜3万円程度で制作できるそうです。10万円で売っても十分な利益が出ます。久川さんは「1万円程度になれば、たとえば小学校なんかでも遺伝子を勉強できるようになります」と、ワクワクしながら語ってくださいました。ヤバい!話を聞いていて涙が出ました。これぞイノベーション。

しかもこれ、Chrome Appを利用しており、手軽に利用することができます。ホントに、これを使えばぼくにだって遺伝子の研究ができてしまいそうです。


話を聞いていて真っ先に思い浮かんだのは「バイオパンク」。これあんまり読まれていませんが、すんばらしい名著です。

メレディス・パターソンは「バイオパンク宣言」にこう書いた。

「ロサンゼルスのダウンタウンに住む13歳の中学生にも、大学教授と同じように世界の探求をする権利があります。遺伝子を調べたい人にとってサーマルサイクラーが高すぎるというなら、私たちが安価なものを設計します。自分で組み立てたいという人には、組み立て方を教えます」

バイオパンク―DIY科学者たちのDNAハック!

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つい最近も「15歳の少年、膵臓がん発見の画期的方法を開発 たった5分、3セントで検査」というニュースが話題になっていましたね。

バイオ関連のイノベーションは、これからますます身近になっていくのです。うちの娘が中学生くらいになる頃には、アプリをつくるかのように、遺伝子組み換えを行っていると、ぼくは真面目に思っています。NinjaPCRは、そういった未来をつくる非常に重要な萌芽といえるでしょう。うーん、すばらしい!

すでに販売も始まっており、リバネス(ここも変態的な会社です)との協業のもと、海外市場に進出しているとのこと。すばらしい。


「妻と二人で家の工場で造りました」

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さらにさらに、「株式会社鳥人間」もたいへん面白いです。公式サイトに「エンジニア夫婦による、変な名前の会社」とあるように、なんと夫婦ふたりで、「自宅を工場にして」製品開発しています。自宅に工場ですよ?いやはやなんて未来的な…。

今回の「NinjaPCR」も、自宅にあるデジタル制作機械を使いながら、夫婦二人三脚で造り上げたそうです。ぎゃー、すごすぎる。名刺を見ると、めっちゃ普通のマンションです。「これ普通のマンションですよね?」と聞いたら「はい、普通の家です」とご回答。普通の家ですが、工場があるのです!

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(久川さんがご自分で作った基盤)

変なの色々つくってる!

鳥人間はほかにも様々なプロダクトを開発、販売しています。超クリエイティブ…。こんな人たちがいるんですねぇ。

これすごいです、ラピュタの飛行石。

LaunchPadで出てきた「バーチャルサイクリング」と同様のサービスも、何気に数年前に開発していたそうです。

こんなものもつくっているようです…。


「自宅で夫婦二人でDNA増幅器を造る」。いやー、ほんっとに未来的。ジョブズも生前、

21世紀のイノベーションは、生物学とテクノロジーが交わる場所から生まれるだろう。ぼくが息子の年頃にデジタル時代が始まったのと同じように、新しい時代がまさに始まろうとしているんだ。

なんてことを語っていたそうですよ。NinjaPCRの話を聞いちゃうと、申し訳ないですが、ほかのウェブサービスが正直つまらなく見えてきます。将来的な視座が違いすぎます。これはずるい。

鳥人間の今後の活躍に期待ですね。ihayato.書店大賞ということで、引きつづき勝手に取り上げさせていただこうと思います。